空き家の固定資産税が最大6倍に|「管理不全空き家」とは?指定を回避する方法と沼津・三島の対策
「相続した実家をそのままにしているうちに、固定資産税の通知が届いて『毎年こんなに払っていたのか』と驚いた」——。沼津市・三島市をはじめ静岡県東部でも、空き家の税金についてのご相談が年々増えています。
実は2023年12月の法改正で、空き家の固定資産税は条件次第で最大6倍に上がるようになりました。しかも、これまで対象外だった「まだそこまで傷んでいない家」も、新しく対象に加わっています。この記事では、なぜ最大6倍になるのか、どんな家が対象なのか、そして増税を回避する具体的な方法を、内装リフォーム歴36年の職人の視点で、できるだけ正直に整理します。
なぜ「最大6倍」になるのか|住宅用地特例のしくみ
住宅が建っている土地には「住宅用地の特例」があり、固定資産税が大きく軽減されています。具体的にはこうです。
| 区分 | 固定資産税の課税標準 | 都市計画税の課税標準 |
|---|---|---|
| 小規模住宅用地(200㎡以下の部分) | 評価額 × 1/6 | 評価額 × 1/3 |
| 一般住宅用地(200㎡を超える部分) | 評価額 × 1/3 | 評価額 × 2/3 |
この「1/6」が、よく言われる「最大6倍」の正体です。家が建っているだけで、土地の固定資産税は本来の6分の1にまで抑えられています。ところが、この特例が外れると軽減のない状態に戻り、土地の固定資産税が最大で約6倍に跳ね上がる——これが「空き家の固定資産税が6倍になる」と言われる理由です。
注意したいのは、これは「土地」の固定資産税の話だということ。建物を解体して更地にしても、同じくこの特例は外れます。「解体すれば税金が下がる」と思われがちですが、土地の固定資産税はむしろ上がる点に注意が必要です(詳しくは後半で解説します)。
「管理不全空き家」とは?2023年の法改正で変わったこと
では、どんな空き家でこの特例が外れるのか。ここが2023年の法改正で大きく変わりました。
従来、特例が外れるのは「特定空家等」に指定された家だけでした。ところが2023年12月13日施行の改正法で「管理不全空家等」という区分が新設され、その手前の段階でも対象になったのです。
| 区分 | どんな状態か | 対象になった時期 |
|---|---|---|
| 特定空家等 | 倒壊などの危険、著しく衛生上有害、景観を著しく損なう など、放置が著しく不適切な状態 | 従来から |
| 管理不全空家等 | そのまま放置すれば特定空家になるおそれのある状態(窓ガラスの破損、雑草の繁茂など) | 2023年12月の改正で新設 |
ポイントは、「まだボロボロではない、少し管理が行き届いていないだけ」の家も対象になり得るということ。「うちはまだ大丈夫」と思っている家ほど、知らないうちに管理不全空家に近づいているかもしれません。次のような状態は要注意のサインです。
- 庭や敷地の雑草・庭木が伸び放題になっている
- 窓ガラスが割れた、雨戸や塀が壊れたままになっている
- 郵便物がたまり、外から見て「人が住んでいない」と分かる
- 屋根・外壁の一部が剥がれ、落下しそうになっている
指定から増税までの流れ|いきなり6倍にはならない
条件に当てはまったからといって、ある日突然6倍になるわけではありません。市町村は次の段階を踏みます。
- ① 助言・指導 まずは「適切に管理してください」という案内が届く
- ② 勧告 指導しても改善されない場合に「勧告」。この勧告を受けた時点で住宅用地特例が外れます
- ③ 命令 勧告にも従わない場合に命令が出される
- ④ 行政代執行 最終手段。行政が解体などを行い、費用は所有者に請求される
増税が始まるのは「勧告を受けた年の翌年度から」です(固定資産税は毎年1月1日時点の状況で決まるため)。裏を返せば、② 勧告の前、① 助言・指導の段階で動けば、増税は十分回避できます。通知が来たら放置せず、まず相談することが何より大切です。
実際いくら増える?固定資産税のざっくり試算
「最大6倍」と言われても実感が湧きにくいので、ざっくりした試算を載せます。土地の評価額1,200万円・200㎡以下のケースを例にします。
| 項目 | 特例あり(住宅用地) | 特例が外れた場合 |
|---|---|---|
| 土地の評価額 | 1,200万円 | 1,200万円 |
| 課税標準(固定資産税) | 200万円(×1/6) | 最大 1,200万円 |
| 固定資産税(税率1.4%) | 約2.8万円 | 最大 約16.8万円 |
| 差額 | — | 年 約+14万円 |
上はしくみを分かりやすくした概算です。実際には土地の負担調整措置などにより「4〜6倍程度」に収まることが多く、評価額・面積・自治体によって変わります。正確な金額は固定資産税の課税明細書、またはお住まいの市町村・税理士にご確認ください。
この「毎年+10〜15万円」を何年も払い続けるのか、それとも一度手を入れて活用するのか——。空き家の費用を考えるうえで、税金は外せない判断材料です。放置した場合の総コストは、関連記事「相続した実家、放置すると年いくら損する?」でも詳しく試算しています。
固定資産税6倍を回避する3つの方法
固定資産税の増税(=住宅用地特例の解除)を避ける方法は、大きく3つです。
① 適切に管理して「管理不全」と判断されないようにする
定期的な換気・通水、草刈り、郵便物の回収、外回りの点検——。遠方なら見回り代行サービスの利用や、近隣への声かけも有効です。ただし、手間と費用は毎年かかり続け、家の価値が上がるわけではありません。あくまで「現状維持」のための対策です。
② 活用する(貸す・売る・住む)=空き家でなくす
最も前向きな解決策です。人が使えばそもそも「空き家」ではなくなり、特例解除の対象から外れます。さらに、家賃収入や売却益というプラスに転じます。古い家でも、費用対効果の高い箇所を直せば「貸せる・売れる家」に変わります。
- 貸す 和室の洋室化・クロス・床で「借り手のつく部屋」にする
- 売る 清掃・残置物撤去+内見の印象を左右する箇所だけ直す
- 住む・セカンドハウス 暮らしやすさ優先で部分リノベ
③ 解体して更地にする
老朽化が激しく活用が難しい場合の選択肢です。ただし前述のとおり、更地にすると土地の住宅用地特例は外れ、土地の固定資産税は上がります(建物の固定資産税はなくなります)。解体費用も数十万〜100万円超かかるため、「活用」と「解体」のどちらが得かは必ず比較してから決めましょう。
① は毎年コストが出ていくだけ、③ は更地にしても土地の税が上がる——。こう整理すると、家の状態が許すなら ② 活用が最も合理的なケースが多くなります。まずは「貸せる・売れる状態に、いくらで持っていけるか」を把握するのがおすすめです。
「貸せる・売れる家」にして特例を守る|費用相場
「活用する」と決めたとき、実際にいくらかかるのか。空き家を「貸せる・売れる家」にするときに使われることの多い工事と費用の目安です。
| 工事内容 | 費用目安 | ポイント |
|---|---|---|
| 残置物の撤去・処分 | 3万円〜(量による) | 親の荷物が残ったままでもまとめて依頼可 |
| ハウスクリーニング | 3万〜8万円 | 内見・写真映りの第一印象を左右 |
| クロス(壁紙)張替え(1室) | 3万円〜|詳細 | 最も費用対効果が高い定番 |
| 床(クッションフロア・フロアタイル) | 6万〜13万円 | 生活感の出る傷みをリセット |
| 和室→洋室化(6畳) | 20万円〜|詳細 | 賃貸・売却の反応が変わる重要ポイント |
| ベランダ・外部の再生 | 7万円〜|詳細 | 半日で見た目の価値を底上げ |
金額は静岡県東部での一般的な目安です。下地の傷み具合や広さで変わります。「どこまでやればいくらになるか」は、写真を送っていただければ概算をお出しできます。
賃貸・売却で特にネックになりやすいのが古い和室です。空室を埋める考え方は「アパート・空き家リフォームで空室を埋める3つの方法」もあわせてご覧ください。
遠方でも進められる|写真1枚から始める進め方
相続した実家は「遠くに住んでいて、すぐ現地に行けない」ことが多いものです。だからこそ、次の順番で進めるのがおすすめです。
- ① 現状を写真で記録 気になる場所(和室・水回り・床・外観など)をスマホで撮るだけ
- ② 売る・貸す・住むの方針を仮置き 税金・管理コストと相談しながら決める
- ③ 費用対効果の概算を出す いくらで価値がどれだけ上がるか
- ④ 必要な工事だけを選ぶ 全部やる必要はない。優先順位をつける
当店では、この①を「写真1枚・3分・初回無料」のAI見積りでお手伝いしています。気になる場所の写真を1枚送っていただくだけで、AIが修繕が必要な箇所と概算費用の目安をその場でお返しします。やり取りはすべてLINE。こちらから営業のお電話をすることは一切ありません。診断だけのご利用も大歓迎です。
よくある質問
勧告を受けたら、もう特例は戻らないのですか?
改善して空き家の状態が解消されれば、再び住宅用地として特例の対象になり得ます。とはいえ、勧告を受ける前の助言・指導の段階で動くのが一番です。詳細はお住まいの自治体にご確認ください。
「管理不全空き家」になっているか、自分で分かりますか?
雑草の繁茂・窓や塀の破損・郵便物の滞留などが目安です。最終的な判断は市町村が行いますが、外から見て「人が住んでいない・手入れされていない」と分かる状態は注意が必要です。
解体して更地にすれば、税金は下がりますか?
建物の固定資産税はなくなりますが、土地の住宅用地特例も外れるため、土地の固定資産税は上がります。解体費用もかかるため、総額では一概に下がるとは限りません。「活用」と比較して判断しましょう。
遠方に住んでいて、すぐ現地に行けません。それでも相談できますか?
はい。AI見積り(写真1枚・初回無料)で概算をお出しできます。現地調査が必要な場合も、日程はご都合に合わせて調整します。
リフォームを相談すると、税金のことも教えてもらえますか?
税額の確定は税理士・自治体の領域ですが、「いくらかけて、貸せる・売れる状態にできるか」という費用面はお手伝いできます。必要に応じて専門家と連携します。
対応エリアはどこまでですか?
沼津市・三島市・裾野市・御殿場市・長泉町を中心に、静岡県東部に対応しています。エリア外の場合もまずはLINEでご相談ください。
実家・空き家、「このままで損していないか」を写真1枚で。AIが3分で診断(初回無料)
部屋や外観の写真を1枚アップロードするだけで、修繕すべき箇所・概算費用・放置した場合のコストまでAIがその場でお答えします。
遠方・片付け前でもOK。営業の電話は一切しません。「うちは大丈夫か知りたい」方こそどうぞ。
クロス・床(1部屋)・網戸・襖の張り替えは、お写真から無料でお見積りします。それ以外の工事は現地調査でお出しし、ご契約いただいた場合は無料、ご契約に至らなかった場合のみ11,000円(税込)を申し受けます。ご相談は公式LINE・お問い合わせフォームから無料でどうぞ。
出典:国土交通省「空家等対策の推進に関する特別措置法」改正(2023年12月13日施行)/「固定資産税等の住宅用地特例に係る空き家対策上の措置」。本記事は一般的な制度の解説です。個別の税額・判定は、お住まいの市町村および税理士にご確認ください。


